Googleの品質評価者はどんな人たち?

この記事の内容は、品質評価者に関する情報とディスカッションがされるWAHM.comを参考にしている。

評価者は自然検索の結果を評価する人で、Googleはこの仕事を外部の会社にアウトソースしており、この会社が評価業務をする独立した請負業者を雇っている。

Google品質評価者とは?どうやって雇われる?

フォーラムに投稿された記事を紹介しよう。

ライオンブリッジなどの企業が評価者を雇っている。Googleと直接契約することはなく、Googleと契約している会社が雇い主となる。

私はライオンブリッジで働いていたけど、仕事は定期的にあるわけではなかったし退屈なこともあった。基本的にやることは検索結果の有用性を評価することだった。仕事を始めるためには契約をしていること、そして仕事をもらう人の地域で仕事があることが必要で、その条件をクリアするとテストに誘われる。テストは長いから注意して勉強してないといけない。

給料はかなり良いけど時給、パートの収入としては十分なレベルだった。

評価者は主婦や副業をしている人間、学生といった家にいる人で、外部の会社を通じて評価者になっている。
彼らは2つの評価能力に関するテストをされている。

テストは2セクションからなっている。セクション1は24の質問、セクション2は270の模擬試験だ。

試験をクリアすると彼らは請負業者として雇われることになる。
彼らは1週間のうち10~20時間程度仕事に従事して、時給で給料は支払われる。大体12~15ドル/hくらいとのことだ。
評価者は1年契約となる。もう一度働くためには3ヶ月待つ必要がある。

これらの人は大半がパートで、マーケッターでもGoogleについて詳しい人間でも検索アルゴリズムに詳しい人間でもない。Googleにとって「一般的」なユーザーだ。Googleはこうした評価者を世界中で雇っている。
評価者を取り入れることはGoogleにとって珍しいことではない。

このスレッドが始まる前から、確か私は2003~2004年のプロジェクトが始まったころに評価者として参加していた。


評価者がすることとは?

評価者は2つの評価割り当てをおこなう。

1つめは、キーワードもしくはURLに対してキーワードの目的との関連性を評価することだ。
この「目的」は評価ハンドブックによるもので、キーワードは”Do”、”Know”、”Go”のタイプに分けられる。
評価者は「キーワードがユーザーがしたいと考えている(何かを買いたい、何かを見たい)、知りたいと考えている(話題の情報、レビューなど)、行きたいと考えている(Youtube.comに行きたい)と関連するか」で決定を下す。

そのあとで評価者はURLを見て、URLは検索クエリと関連するかどうかを決定する。
彼らは同時にURLがスパムかどうかを見ることもある。
この例としては、「購入 デジタルカメラ」のようなキーワードでデジタルカメラのECサイトかどうか、バナー広告が満載のスパムっぽいサイトでないかどうかということだ。

注意することとしては、こうした「一般的」なユーザーに対しては第一印象がとても大きなものだということだ。私達も3秒もあればLPを判断するし、妥当な考え方だと思う。これは評価者だって変わらないことだ。

2つめは、評価者は2つの検索結果を判断する。1ページ目がアルゴ導入前の結果、もうひとつがアルゴ導入後の結果だ。
アルゴ適用までのフロー

評価者に求められるものは何?

評価者のパフォーマンスは時間当たりにどれだけのURLを評価できるかである。

評価者は大体1時間あたり30サイトの評価をすることが求められる。量より質を評価される。
評価に時間がかかる人であっても、ミスをしてしまう人より好まれるだろう。
「だろう」と言ってるのは、僕たちは自分たちの仕事をジャッジする明確なものを知らないからね。

3つ星をもらう人間であっても時間当たりで45~50サイトが限界というから驚きだ。
ということは、1つのページに費やすことができるのはどう頑張っても2~3分程度だということだ。
つまり、サイトの第一印象はとても大事ということ。

こんな投稿をしている評価者もいた。

それぞれの検索結果をいちいちクリックしてたら1時間で20サイトも見ることなんてできない。
AとBというサイトがほぼ同じで、AかBのどっちがいいかを決めないといけないなんていうのは簡単。僕はスニペットだけを見てやっていたよ。それでも苦情はこなかった。
Googleは僕にひとつひとつを注意深く見てほしいのではなくて、素早くこなしてほしかったんだろう。
僕にはGoogleが大事にしてることは分からないね。誰も僕たちの仕事をチェックしてないと思う。

これを読んだ人はこの悪いニュースに愕然とするだろう。
あなたのURLは検索結果のスニペットだけで判断されているのだから。

さらにこんなことを言ってる人もいるので要注意だ。

大抵の評価者は、自分が最も注力するべきことは評価しているものが「正しい」と覚えておいてもらうことだと考えてるんじゃないかな。


評価者がGoogleのランキングを変えることができるか?

Googleの技術ディレクターであるスコットに対する2009年のインタビューには興味深い部分がある。

インタビュアー:
特定の基準に基づいて、評価者は特定のWebページと評価をしている。これらのデータはPageRankやAdwords広告に影響があるんだろうか?

スコット:
Googleがそれらのデータを使うことはない。どういうことかというと、ユーザーでも想像できることだからだ。評価者が検索結果に直接的に影響することはない。「この検索結果あっちの検索結果ほど良くないっぽい。じゃあ違うランキングに置き換えよう!」、Googleがこういうスタンスで結果を見直すことも変更することもない。こうしたことは全体の評価を大きく歪めてしまうことになる。だからGoogleがそこに着手することないよ。

これは理にかなっている。一人一人の評価者がランキングを変えることはない。
でも、評価者がURLをスパムだとかNon-Relevantとマークした場合、URLに影響を与えるシステムがフラグを割り当ててしまうこともあるだろう。

Googleの評価から生き残るには?

1、評価者の評価は変えることができない
ウェブマスターが人間の評価者にできることは何もない。彼らはアルゴで表示されたURLを評価するだけで、できることはストレスを与えないようにすることくらいだろう。

2、積極的に
あなたのサイトが素晴らしい第一印象を与えているかを確かめよう。
マーケッターとしてではなく「一般の消費者、ユーザー」としてサイトを確認しなければならない。
そうしたときに自分のサイトを読み続けたいと思うか、何か購入したいと思うか?「普通の人」として自分のサイトを評価してみよう。

3、スニペットを見直そう
対象としているキーワードでのGoogleの検索結果を確認しよう。
訪問者になりうる人間が探しているようなスニペットになっているだろうか?訪問者が実際に見つけるであろうページとスニペットはマッチしているだろうか?

4、目的を評価して関連性を持たせるようにしよう
対象のキーワードをGoogleに入力した時に、あなたはほしい情報を見つけることができるだろうか?
あなたのサイトやコンテンツはキーワードの目的に見合ったものだろうか?


覚えておいてほしいことは、評価者は家でお金を稼ぎたいと思っている「普通の人」であることだ。
彼らはウェブで何が起きているか注意することはないだろうし、求められている仕事をこなしているだけだ。むしろ彼らは自分たちが求められていることすら正確には分かっていないだろう。

おそらく分かってない、知らない、自分たちの行動が目的に沿っているかどうか気にしてないのどれかだと思う。
Googleはウェブマスターのために作られたわけではなく、検索ユーザーのために作られたものだ。
こういった人たちこそGoogleが見るべき人間なのだ。


本記事は、PotPieGirl.comの『Google Raters – Who Are They?』を翻訳した内容を掲載しています。

先日ウェブ上に流出していたGoogleのガイドラインをいち早く見つけたJenniferのエントリです。
かなりショッキングな内容が盛り沢山ですね。

「Googleのスニペットは重要ではない、検索エンジンでは見ていない」が定説になりつつあるような気はしますが、インデックスされる要素になっていることもありますし、とても怪しいと常々思っていました。
考えていたものとは違いましたが、SEOで見る項目の重要性が改めて分かる良記事でした。
こうした不完全な部分まで考慮した持続可能なSEOという考え方が今後必要となっていくんでしょうね。

LiAメディアマーケティングセクション 加藤

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